今回は「iDeCo(イデコ)」についてご紹介します。
iDeCoは、自分で毎月掛け金を積み立て、自分で運用して老後資金を作る、いわば「自分年金」です。iDeCoには大きな「節税メリット」もあるので是非皆さんにもチャレンジして欲しい制度です。一方でデメリット・注意点もあるので、今回はそのメリデメ、仕組みについてポイントを説明します。
(1)iDeCoの大まかな仕組み
■加入資格は?
国民年金に加入している20歳以上、65歳未満の方
■どこで申し込めばいい?
運営管理機関(全国約160の金融機関)の中から「1社だけ」を選択
※各種銀行、証券・保険会社などが扱っています(頁末:国基連HP参照)
■掛け金は?
会社員・公務員、自営業者など働き方によって上限が決められています
(月12,000円~68,000円)。その上限の範囲内で月々5,000円以上1,000円
単位で設定が可能です
(2)3つの大きな節税メリット
■掛け金が全額「所得控除」されます
※例えば、年収700万円のAさんが毎月23,000円の掛金を積み立てた場合、1年
で約83,900円も所得税・住民税が軽減されます。この効果は絶大ですね!
①所得税の控除額 276,000(掛金年額)×20.42%=56,359円
②住民税の控除額 276,000(掛金年額)×10%=27,600円
①+②=83,959円
■運用益も非課税です
※本来、運用益には約20%の課税されますが、一切かかりません
■受け取り時も税金がゼロ、または大きく軽減されます
※「退職金」として受け取った場合「退職所得控除」の対象、「年金」として
受け取った場合「公的年金等控除」の対象となって、受取時にも節税効果が
あります
(3)デメリット、注意点
■運用状況によって、資産が増減します
iDeCoで運用の中心となってくるのは、やはり投資信託。運用益をあまり
期待できない定期預金などを選択しない限り、逆に資産が減ってしまう恐れ
もあります。自己責任での運用となります。
■原則60歳まで運用中の資産を引き出せません
iDeCoは老後の資産形成を目的とした制度ですから、原則として途中で資産
を換金して引き出すことは認められていません。短期的な資金使途には
NISA、積立NISAの方が向いています。
■各種手数料がかかります
iDeCoには申込窓口となる金融機関、国民年金基金連合会、事務委託先金融
機関などへの様々な運営手数料がかかってきます。また、投資信託を選んだ
場合は信託報酬も発生します。
※国民年金基金連合会105円、事務委託先金融機関66円の手数料は必ず毎月
かかります
最後に、皆さんがiDeCoを始める際の「運営管理機関の選び方」について、私なりのアドバイスをさせていただきます。
<アドバイスその1>できれば手数料の安い運営管理機関(銀行など)を選ぶ!
■申し込みをする運営管理機関によって毎月かかる運営手数料が異なります。
やはり長期での運用になると「塵も積もれば山となる」です。総合力とコス
トの両面で判断したいところです。
<アドバイスその2>運用商品のラインナップで選ぶ!
■長期投資では運用商品(投資信託)の維持費(信託報酬)が運用成績に与え
る影響も大きくなります。「低コストファンド」がどの程度ラインナップされ
ているか?も着目したいポイントです。
<アドバイスその3>サポート体制で選ぶ!
■実際の運用にあたっての各種手続きは運営管理機関ごとのサイトで自分自身
で行うか、またはサポートセンターに電話でお願いするかの選択になります。
金融機関によってはサポートを「外注」しているところも多く見受けられます
ので、金融機関窓口でのきめ細かいアドバイス・サポートはあまり期待しない
方がいいかと思います。自分に合ったサポート体制を選ぶことも大切です。
以上、iDeCoについて大まかな仕組みとメリデメ、私なりの始める際のポイントを説明させていただきました。長い目で言えば「やって損はない」制度だと思います。是非一度チャレンジしてみてください。
(参照:国民年金基金連合会HP) https://www.ideco-koushiki.jp/guide/