COLUMN

会員企業情報コラム

健康経営を労務管理の視点で見る!

投稿者:穴井りゅうじ社会保険労務士事務所


「健康経営を労務管理の視点で見る!」

 健康経営の考え方は、大企業から中小企業へ、最近では事業規模に関係なく、その広がりをみせています。その背景には、人生100年時代を見据えた新しい労務管理の視点があります。日本は世界一の長寿国でありますが、これは平均寿命を基準にしています。しかし、寿命というより、いかに健康であり続けるかの「健康寿命」という考え方がより重要といえます。平均寿命と健康寿命の差は、男性では平均約9年、女性は平均約12年です。この健康寿命をいかに延ばすかがポイントとなります。また、2021年4月より、企業には、従業員を70歳まで就労機会を確保することが努力義務となりました。企業は、従業員の雇用を70歳まで見据えた対応が必要となります。

 人生100年時代、「健康寿命」と「70歳までの就労」、企業はこの2つのポイントを押さえた労務管理の整備が必要となります。そこでキーワードとなるが「健康経営」です。従業員の健康は、労務管理と深く関係しており、「長時間労働の改善」、「休暇制度の充実」、「ストレスチェック」、「メンタルヘルス対策」、「治療と仕事の両立支援」、「健康増進の福利厚生制度」など、健康を視点とした労務管理を積極的に取り組む企業が増えてきました。さらにコロナ禍をきっかけにその取り組みも加速しています。
 従業員に心身ともに健康で働ける職場環境を整備し提供することは、従業員のモチベーションアップや生産性・業績向上、人材の採用・定着などの効果が期待できます。まさに従業員の健康は、企業の成長・発展にリンクしているといえます。想像してみると理解できると思いますが、従業員が健康で生き生きと活気に満ちた職場と疲労感いっぱいの表情で仕事する従業員がいる職場、どちらが成長する企業だといえるでしょうか。答えは言うまでもありません。

 

 健康経営は、これからの時代、企業の成長・発展には必要不可欠な要素だといえます。とは言っても、経営者や労務担当者の中には、「健康経営」には関心はあるものの、具体的にどのような行動をすればいいのかと、二の足を踏んでいる方も多いのではと思います。このコラムでは、健康経営に取り組みたい経営者のために健康経営をテーマにした労務管理の取り組みや事例などを紹介していきます。このコラムをヒントに自社の労務管理を整備することで、健康経営に取り組んでいただければ嬉しく思います。

 

                                     社会保険労務士 穴井 隆二

穴井りゅうじ社会保険労務士事務所
穴井 隆二