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「長時間労働対策で働きやすい職場環境を」

投稿者:穴井りゅうじ社会保険労務士事務所

「長時間労働対策で働きやすい職場環境を」

 

「健康経営」を考える上で重要な課題のひとつに「長時間労働」があげられます。長時間労働は、働く社員にとって、健康管理が不十分となり、心身の疲労を招き、睡眠不足や不規則な食生活などの原因となり得ます。その結果、集中力の低下や精神疾患、脳・心臓疾患他、さまざまな健康障害を引き起こし、最悪なケースでは過労死にもつながりかねません。
 働きやすい職場環境の実現のためには、長時間労働対策は絶対にさけられないものです。しかしながら、現実問題として労働時間短縮に向けて、改善はしたいものの手がつけられていない企業も少なくはないといえます。今回のコラムでは、長時間労働の改善のためのヒントを紹介いたします。

 

1.経営者や管理職の意識改革

「残業する社員は会社に貢献している」、「定時で帰る社員は評価できない」などと残業を善としている風潮がいまだに根強い企業があります。そのような企業はトップや管理職の意識改革が必要です。

2.自社の労働時間(残業時間)を把握し、リスクを見える化します。

タイムカードなどで、各社員の残業時間をリストアップします。また、リストアップした残業時間が事実と相違する場合があるので検証も必要です(残業時間を過少に申告している可能性があるので)。いわゆるリスクの見える化です。また、さらに長時間労働のパターンを把握し検証します。

・パターンA:全社的に長時間労働が慢性化している→抜本的な改革が必要
・パターンB:部門によって長時間労働がある→部門の問題改善にフォーカスした対応が必要
・パターンC:特定の社員に長時間労働が偏っている→個別の原因を調査する。社員の偏りの原因については、キャパオーバー(仕事の許容範囲の限界を超えている)や社員の能力不足や段取り不足があげられます。

 

 

3.具体的な対策を計画・実行します。
【対策例】
  ・ノー残業デー
  ・生産性のない残業をした場合は、評価でマイナス査定(部下に残業が多い場合、上司もマイナス査定する)
  ・休日と祝日に挟まれた平日の連続休暇取得促進
  ・定時に終礼を行う
  ・消灯時間を設置する
  ・パソコンのアクセス制限を行う
  ・残業した場合は、社員に残業報告書(改善報告)を提出させる

 

 最後に長時間労働は、社員の健康障害だけではなく、プライベートの充実や家族と過ごす時間を阻害する要因でもあります。最近の労務管理は、採用や定着に着眼する傾向があります。長時間労働が慢性化すると、応募しても人が集まらない、離職率アップなどにつながりかねません。社員にとって働きやすい職場環境は、社員にとって安心にもつながり、仕事のパフォーマンスも高いものが期待できるのではないでしょうか。まずは、長時間労働解消のためにできることから始めていきましょう。

社会保険労務士 穴井 隆二

穴井りゅうじ社会保険労務士事務所
穴井 隆二